平成30年度 デイジー教科書事例報告会

日本障害者リハビリテーション協会主催
2019年2月24日 戸山サンライズ

西澤 達夫氏(日本障害者リハビリテーション協会 参与)、金森 裕治氏(大阪教育大学特別支援教育講座 特任教授)、小澤 彩果氏(立命館大学情報理工学部 学生)、南谷 和範(大学入試センター 試験基盤設計研究部門 准教授)の4報告があった。

■趣旨
本報告会では、デイジー教科書提供事業についてその取り組みと現状についての報告を行い、今後のデイジー教科書のあり方と普及について考える。

報告①・デイジー教科書の利用申請状況報告
西澤 達夫氏(日本障害者リハビリテーション協会 参与)
 ・読み書きに特別な支援を必要とする子どもたち
 ・読みの困難さとは
 ・デイジーで期待される効果
 ・教育委員会による申請の状況
 ・利用申請・アンケート結果
 ・まとめ

報告②・デイジー教材の導入・活用について
金森 裕治氏(大阪教育大学 特別支援教育講座 特任教授)
 ・大阪マルチメディアデイジー研究会
 ・自主シンポジウム
   ①日本特殊教育学会
   ②日本LD学会
 ・社会科副読本のマルチメディアDAISY化
 ・試験問題のマルチメディアデイジー化
 ・デジタル教材を活用した知的・発達障害児に対する「性教育」事業
 ・今後の課題

報告③・デイジーユーザー大学生からの提言
小澤 彩果氏(立命館大学情報理工学部 学生)
 ・自己紹介
 ・小2の夏休み 「読めない」という困難を自覚
 ・小3~小6 大阪医科大LDセンター トレーニング
 ・母親の読み支援
 ・デイジー教科書との出会い 利点
 ・公立中、私立高、大学入試(入試センターに対する要望)、大学の対応

報告④・センター試験及び「新テスト」における受験配慮でのIT活用
南谷 和範(大学入試センター 試験基盤設計研究部門 准教授)
 ・現行センターでの配慮
 ・共通テスト1月実施、
  毎年50万以上が受験(障害のある受験者およそ2000人を含む)
 ・配慮申請と審査
 ・センター試験受験上の配慮のポイント
 ・2020年新テスト その特質と配慮の方向性
  特質(1)記述式問題
   書字障害(ディスグラフィア)のある受験者の解答手段
    ←IT活用が一つの方途
  特質(2)複数の資料の比較・検討
   視覚障害者、一部の発達障害者(読字障害など)の読み負担改善
   問題内容に注目する
   当人に適した閲覧環境に注目する
 ・開発中の試験問題閲覧システム―AXESⅢ
   近年の動向を意識した研究開発
   DAISYとの関係
   ⇒リッチなEPUB(ハイライト、目次、しおり)
   さらに、ハイパーリンクの実現、ページング、
   高速でも効きやすい音声読み上げ