製作時間の集計データを
全国のデイジー教科書製作団体それぞれが算出することになっています。
デイジー教科書の安定的な提供を目指し、製作費を要求するため
リハ協がデータをまとめて文部科学省に提出します。
所沢マルチメディアデイジーでは
保健体育(東京書籍)の製作にかかった合計時間をまとめました。
全編190頁を4人で担当し、製作時間の合計は594時間30分になりました。
そのうちの288時間は校正と修正にかかった時間です。
集計に際しましては、以下のような時間は含めていません。
含めれば、おそらく1000時間近くになるかと思います。
・試行錯誤していた時間
・他者に教えたり説明したりした時間
・記録を忘れてしまい記憶していない作業時間
・PCや製作ソフトの不具合などで問い合わせや修理をした時間
合計時間の約半分288時間を占める修正作業の内容は、主に合成音声の修正でした。最近の合成音声読み上げは、かなり聞きやすいものになってきています。ですが、自動的に設定される読み上げのままでは読みの間(ま)が配慮されていないので、読みの苦手な生徒にとっては、聞いて内容を理解するまでの時間が足りないように思います。
文末の無音、問いかける文に対して考えるための無音、
新出単語やキーワードなどの語を際立たせるための無音、そのほか、
必要なところに読みの間を入れるという修正をしています。
デイジー教科書を使うディスレクシアの生徒にとって
文字を見て、音を聞いて、理解するための時間は、非常に大事だと思います。
読みの間(ま)は、読みのスピードを単純に遅くする操作では作れません。