今年は、小学生用の教科書が改訂されました。
それにともない、マルチデイジー教科書もすべて新規で製作しなければならず、ネットワークに参加している団体は、それぞれ担当のデイジー教科書製作作業を進めてきました。本年度の製作はほぼ完了しましたが、以下のような課題が残っています。
東京書籍 理科 小学3年、4年、5年、6年
●製作ソフト:Sigtuna DAR3 JP
●音声:音訳者による録音
●1人の生徒が小3~小6まで通してデイジー教科書で学習することを考えて、見出しの立て方やマークの読み方、レイアウトなど、できるだけ統一した。
◎課題
●htmlファイルに直接書き込んでいけるのでCSSをリンクさせることによって
教科書のレイアウトにかなり合わせることができる。
枠、表、文字色、文字サイズ、インデントなど、レイアウトにいろいろ工夫して教科書に近いレイアウトを心がけてみたが、製作に時間をかけ過ぎた感がある。
今後は、シンプルで洗練されたデイジー教科書づくりを目指したい。
●教科書ルビ版製作後に総ルビ版を製作した。
総ルビ版では、当初、見出しにもルビを付けたが、再生画面のナビゲーションウィンドウでルビが括弧で表示されて読みにくいということで、見出しにはルビをつけないことになった。
●音訳者による読みは、ノイズを削除する処理が必要。
削除しすぎると、文末「です」「ます」などの最後の無声音が消えてしまう。
音訳者に、マイクや録音環境の研修を提供する必要があるかもしれない。
啓林館 算数 小学6年
●製作ソフト:Chatty Infty
●音声:合成音声(AITalk)
◎課題
●製作ソフトにまだ慣れないところがある。テキストモードと数式モードで、読みのアクセントや単語間無音長が違うところなどがあり、少し手間どっている。
●アニメーション編集という機能で、図中語をハイライトすることができ、生徒に分かりやすい教科書の製作ができるが、再生ソフトによってはうまく再生できないとものがあり、残念。
●本文テキストを分かち書きすることが、デイジー教科書マニュアルで推奨されているが、連文節で分かち書きする場合、どこで切ったらよいか迷う箇所がある。