2010年7月1日付で 所沢市議会は、
「発達障がいや、その他文字を認識することに困難のある児童生徒のためのマルチメディアデイジー教科書の普及促進を求める意見書」を
内閣総理大臣と文部科学大臣宛てに提出しました。
http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/shigikai/shingi/giketugaiyou/giinteisyutu/h22/giinteisyutugian22.6/index.html
発達障がいや、その他文字を認識することに困難のある児童生徒のためのマルチメディアデイジー教科書の普及促進を求める意見書
平成20年9月に
「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の 促進等に関する法律」、いわゆる教科書バリアフリー法が施行されました。
この教科書バリアフリー法の施行を機に、平成21年9月より、(財)日本障害者リハビリテーション協会(リハ協)がボランティア団体の協力を得て、通常の教科書と同様のテキストと画像を使用し、デジタル化対応することで、テキスト 文字に音声をシンクロ(同期)させて読むことを可能にした「マルチメディアデ イジー版教科書」(デイジー教科書)の提供を始めました。
また文部科学省にお いて、平成21年度よりデイジー教科書などの発達障害等の障害特性に応じた教材の在り方やそれらを活用した効果的な指導方法等について、実証的な調査研究が 実施されております。
現在、デイジー教科書は、上記のとおり文部科学省の調査研究事業の対象となっておりますが、その調査研究段階であるにもかかわらず、平成21年12月現在で 約300人の児童生徒に活用され、保護者などから学習理解が向上したとの効果が 表明されるなど、デイジー教科書の普及促進への期待が大変に高まっております。
しかし、デイジー教科書は教科書無償給与の対象となっていないことに加えて、その製作は、多大な時間と費用を要するにもかかわらず、ボランティア団体頼みであるため、必要とする児童生徒の希望に十分に応えられない状況にあり、実際 リハ協が平成21年度にデジタル化対応したデイジー教科書は小中学生用教科書全体の約4分の1に留まっております。
このような現状を踏まえると、まず教科用特定図書等の普及促進のための予算の更なる拡充が求められるところですが、平成21年度の同予算が1.72億円に対し、平成22年度は1.56億円と縮減されております。
また、文部科学省の通達により、デイジー教科書の提供先が児童生徒本人のみに限定されているため、担当教員らが入手して活用方法などを研究することが困難であると言われており、学校現場でのデイジー教科書の普及が遅れている原因 の一つともなっております。
よって、政府及び文部科学省におかれては、必要とする児童生徒、担当教員等にデイジー教科書を安定して配布・提供できるように、その普及促進のための体制の整備及び必要な予算措置を講ずることを要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年7月1日
所沢市議会
提出先 内閣総理大臣 文部科学大臣