富田林市社会科副読本の試作デモンストレーション

大阪教育大学にて、試作デモンストレーションと検討会を行いました。

富田林市の小学3年生用と4年生用の社会科副読本を製作しています。
その試作版を富田林市の特別支援学級の先生方や大阪マルチメディアデイジー研究会の方たちに見ていただき検討していただきました。大阪マルチメディアデイジー研究会例会の中で、大阪教育大学の金森裕次先生に時間を作っていただきました。所沢マルチメディアデイジーからの3名も含めて参加者は27名でした。
場所は、大阪教育大学天王寺キャンパス。

≪検討していただいた単元≫
わたしたちの富田林 社会科・・・3・4年生(上)
表紙~もくじ
第1章 「わたしたちの富田林市のようす」

わたしたちのくらし 社会科・・・3・4年(下)
第1章 「すみよいくらしをささえる」
第2章 「安全なくらしをまもる」
検討会で話し合われた内容

●対象利用者
・ ディスレクシア・発達障害(特に多動を伴う)の児童が主な対象。
学年が進むと、特に、社会科などの図の読み取りが困難になる。
・ 視覚障害の児童が若干いる。
・ 家庭での指導も考えられるが、現段階としては、教師を介しての指導の場が多い。

●再生で使う端末
・ AMISとVOD(ipad)のどちらかを使用する生徒がほどんど。今後、Android版のDAISY再生ソフトが市販される予定なので、その再生検証もしておきたい。

●製作基準
・ レイアウト
わかりやすさを第一に、デイジー独自のレイアウトにする場合がある。
・ 画像分割
単純分割するだけでよい場合と、分割して並べ替えなどが必要になる場合があ る。後者の場合は全体縮小図をつける。
・ 図中語について
基本的にはテキスト化する。
ただし、表・地図・画像の図中語をどこまでテキスト化するかは、その都度、生徒のニーズを把握している先生方との話し合いが必要。

●デイジー版副読本の配布
・ 学習進度にあわせて、上下ともに章ごとにお届けしていく。
最終的には上下各1枚のCDとしてまとめる予定。
・ 資料は毎年改定されているので、最新の情報を届けるために、DAISYでも毎年の改訂が必要。

≪検討会での話し合いを活かして、レイアウトを工夫した例≫
わたしたちのくらし 2.安全なくらしを守る より
まず全体縮小画像を提示。次に最初に読みだす画像を切り抜いて表示。、図中語を読み上げているときに表示される全体画像には、最初の読み出し箇所の位置が分かるように緑丸を付けています。
AMISやVOD再生時に、画像の周りに黄色いハイライトがされている間、図中語が順に読み上げられています。
社会化副読本:消防しょのしくみ

会の終わりに、金森先生が以下のようにまとめてくださいました。
小中学生用教科書のDAISY化は、ほぼできている。
そこで社会科の副読本のDAISY製作ができないかと考えていたところ、富田林の先生からの希望があり推進している。教科書以外の副読本のDAISY化のために、DAISY製作者と教師との話し合いの場が持たれた例はあまりない。非常に有意義な会であった。
この富田林の副読本DAISY化は、特別な支援を必要とする児童の指導用に製作されるが、今後はユニバーサルな利用の可能性も考えられる。